この記事は、Bybitの現物取引のマージン取引(証拠金取引)を実際にやったときの紹介記事です。
現物取引なのに証拠金取引って何?みたいな疑問が出ますよね?
あと、USDT持っていなくて他のコインしかないけど、それは証拠金になるの?とか。
この記事では、実際にマージン取引を行っていますので、参考にしていただければと思います。
Bybitのマージン取引とは
Bybitの証拠金取引とは、現物取引でレバレッジ取引するための機能です。証拠金取引では、現物アカウントの資産を担保として利用することができます。Bybitから追加資金を借り入れることで、より大きな現物ポジションの保有、あるいは現物での空売り(ショート)ができるようになります。
出典: Bybitマージン取引のご案内 (現物)
マージン取引では、Bybitから借入をして現物取引でレバレッジ取引をできます。
そのため、USDTを持っていなくても、他のコインで借入金の利息を払えるので買いと売りの両方ができます。
取引イメージをざっくりと書きます。
マージン取引でコインを購入する場合、USDTを借りてコインを購入するので、購入したコイン分のUSDTを借りることになります。借りたUSDTを返済するときに返済金に相当する分のコインを売却しますが、コイン価格が上昇していれば、購入数よりも少ない数量のコインを売るだけなので、余ったコインが利益となります。その利益が手数料と利息の合計を上回っていれば、勝ちトレードとなります。
前準備
口座開設と入金
Bybitの口座を開設して入金しましょう。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
資金を統合取引アカウントへ振替
マージン取引をするためには証拠金が必要です。
入金が完了したら、「資金調達アカウント」から「統合取引アカウント」へ資金を振り替えましょう。
マージン取引で借入が発生した場合、返済用コインの残高が無ければ、他のコインが市場価格で自動変換されて利息払いや返済をすることになります。
例えば、USDTの資産がなくてもBTCやETHが統合取引アカウントにあればマージン取引できます。
https://www.bybit.com/ja-JP/help-center/article/How-to-Repay-Loans-and-Interests-Spot-Margin-Trading
統合取引アカウントで担保を有効化
コインを証拠金として使えるように、「担保として利用する」を有効化してください。
マージン取引のやり方
では、実際にマージン取引をやってみましょう。
口座残高の確認
先に、私の統合取引アカウントの残高を見てみます。
0.02031572BTCあります。
現在のレートで日本円換算すると、0.02031572BTC ✕ 64,000ドル/BTC ✕ 144円/ドル = 18.7万円くらいです。
マージン取引前は残高が0.02031572BTCだったと覚えておいてください。
BTCUSDTの購入
USDT残高はゼロなので、マージン取引でBTCUSDTの買いを行うと借入が発生します。
0.01BTCを購入してみます。
約10万円分のBTCの購入となります。
借入が発生した場合は注文が約定しなくても利息が発生するので、成行で購入します。
マージン取引の設定です。
・レバレッジ10倍
・成行ロング
・数量による注文指定で、0.01BTC買い
「BTCを買う」をクリックすると、確認画面が出ます。
借入金の日次利率は0.0147%となっています。
638USDTの借入なので、638USDT ✕ 0.000147 = 0.093ドル/日 の利息です。
日本円換算で 0.093ドル/日 ✕ 144円/ドル = 13.5円/日くらいの利息となります。
BTC価格が上昇して、取引手数料と利息分を取り返したいですね。
購入後の取引履歴画面です。
取引手数料率0.1%(VIP0の場合)の取引手数料がかかっていることがわかります。
0.01BTC ✕ 0.001 = 0.00001BTC の手数料となります。
一度に購入ができず3分割になっていますが、約定数量の0.1%の値が取引手数料の値となっています。
借入金のタブも見てみましょう。
637.2728USDTの借入が行われたことがわかります。
※上の取引時のスクショ画面の数値と異なるのは、取引価格は刻々と変わるからです。
借入後の口座残高の確認
BTC購入後はUSDTの借入が始まったので、統合取引アカウントを見てみましょう。
借入金額のところが、637.3036USDTの借入となりました。
USDTの資産もマイナス表示になっています。
※BTC購入時と借入金額が異なるのは、購入後から時間が立っており、1時間ごとに利息が増えているからです。
BTC残高も確認しましょう。
取引前は0.02031572BTCでした。
そして、マージン取引で、0.01BTC購入しました。
そのときの取引手数料は、0.01BTC ✕ 0.1% = 0.00001BTC でした。
そのため、BTC残高は 0.02031572 + 0.01 – 0.00001 = 0.03030572BTC となっています。
BTC残高は0.03030572BTCになりましたが、増加分の0.00999BTCが利益というわけではありません。
USDT残高がマイナスになっているように、借入をしてこのBTC残高になっています。
借入金と利息の返済が終わるまで最終利益は確定しません。
返済するときにBTC価格が上昇していれば、借り入れたUSDT分を返済するために売却するBTCの数量が減るので手元にBTCが多く残ります。利息を払っても、借入前よりBTCが多く残っていれば勝ちです。
ナンピン発生
この記事を書くためにマージン取引をした次の日に、イランがイスラエルをミサイル攻撃をして中東リスクが高まりビットコインが大幅下落しました。
10月1日(現地時間)、イランは、イスラエルに対して、弾道ミサイルを使用した大規模攻撃を行いました。この攻撃に対して、イスラエルは報復を示唆する発言をしています。今後、中東地域において更に事態が急速に悪化する可能性も排除されません。
出典: 外務省 海外安全ホームページ イランによるイスラエル攻撃を受けた注意喚起
1回目のマージン取引では、63,700ドルあたりで0.01BTCを購入しました。
しかし、このミサイル攻撃で60,000ドル付近まで急落しました。約5.8%の下落です。
記事を書くためにマージン取引をしたのに、損失を出していてはマージン取引の魅力が伝わらないと思い、ここでナンピンを実行しました。さらに下落する可能性もありますがレバレッジ10倍なので、あと8回はナンピンできます。
2回目のマージン取引を行い、60,500あたりで0.01BTCを追加購入しました。
これで、平均取得単価が62,200ドルくらいになりました。
ナンピン後の口座残高を確認します。
借入金は1243USDTに増加しました。
BTC残高は、0.01BTCの購入取引を2回したので、取引手数料を差し引くとこうなっています。
0.02031572 + 0.02 – 0.00002 = 0.04029572BTC
借入金の返済
63,700ドルと60,500ドルで購入したビットコイン価格が63,700ドルあたりに上昇してきたので、借入金を返済します。
統合取引アカウントで「返済」をクリック。
この画面になるので「返済」をクリック。
内容を確認して「確定」をクリック。
BTC価格が上昇したので、0.02BTCを借りましたが、返済数量は0.01952965BTCとなりました。
手数料はBTCですでに支払い済みなので、手数料0.00002BTCを考慮すると、0.01952965 + 0.00002 = 0.01954965BTCとなります。
今回のマージン取引をまとめると、0.02BTC – 0.01954965BTC = 0.00045035BTC の利益となりました。日本円で約4,200円の利益です。
BTC残高は、マージン取引前の0.02031572BTCから0.02076298BTCに増えました。
残高の遷移
今回のマージン取引を把握するために、口座残高の推移を見てみます。
マージン取引前
1回目のマージン取引(BTCUSDT購入)
購入分の0.01BTCが増えて、手数料の0.00001BTCが減っています。USDTは借入分が増えています。
2回目のマージン取引(BTCUSDT購入)
1回目と同じく、購入分の0.01BTCが増えて、手数料の0.00001BTCが減っています。USDTは借入分が増えています。
USDT返済後
BTCを売却することで借入分のUSDTを返済しました。BTCが増えていればマージン取引は勝ちです。
マージン取引の手数料
マージン取引をするときにかかる手数料を確認しておきましょう。
取引手数料
取引手数料 = 約定注文数量 × 現物取引手数料率
https://www.bybit.com/ja-JP/help-center/article/Trading-Fee-Structure
利息
利息 = 借入額 × 日次利息率/24 × 時間
それぞれのコインの利息は以下のサイトをご覧ください。
https://www.bybit.com/en/announcement-info/fullstock-leverage-uta/
強制決済手数料
強制決済手数料 = 強制決済資産 × 強制決済手数料率
https://www.bybit.com/ja-JP/help-center/article/Spot-Margin-Trading-Fees-Explained